ここしばらく、独立系メディアで元政治家などの著名人が「ブラック・スワン事件」という言葉を発しています。一昨日起きたメリーランド州の橋崩壊はブラックスワンである、とトランプ政権アドバイザーだったフリン将軍が言っていますし、尊敬されるロン・ポール元議員が、今年大きなブラックスワンが起きる、と述べています。(ちなみに橋の崩壊は経済テロである可能性大です)
一言で言うと、ブラックスワン事件とは、想像を超えた大災害や大事件が勃発して大きな影響を残すことを意味します。
ブリタニカ百科事典のサイトから要約します。
ブラックスワンという言葉は、紀元1世紀ローマ帝国の詩人が使った。黒鳥は当時存在しないと思われていたので、非常に珍しいものや人を意味した。
しかし17世紀終わりに、豪で実際に黒鳥が発見された。それ以降、あり得ないことでも起こり得ることを指すようになった。
ブラックスワン現象を有名にしたのはこの本↓2010年に出版。
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この本の著者タリブ氏はレバノン系アメリカ人で、金融業界でオプショントレーダーをやっていました。それゆえリスク分析が得意で、リーマンショックなどの金融市場の大混乱をブラックスワンと名付けたようです。
タリブ氏のインタビューをYoutubeで見ましたらこんなことを説明していました。
Fragileという言葉がある。フラジャイル=壊れやすいこと。フラジャイルな組織や体制は大事件が起こると影響を受けやすい。薄いガラスが少しの衝撃で割れるのと同じだ。
巨大化するとフラジャイルになる。そしてリスクを軽減しようとすればするほどフラジャイルになる。
組織が犯しやすい間違いはリスク変動を抑えること。そうすると成功への可能性も低くなる↓
企業業績が安定した会社はフラジャイルだし、リターンが安定した投資ファンドもフラジャイル。Anti-fragile、非フラジャイルである必要がある。
非フラジャイルになるためには、ある程度のリスクは恐れないこと。ストレスがあれば強くなる。運動すれば骨も筋肉も強くなる。
国家で見ると、天然資源が少ない国は発展する、貿易で努力するから。例はシンガポール(注・モノづくりの日本もそう)
皆、勘違いしていることがある。まずサイエンスがあり、その下でテクノロジーが発展し、そのおかげでビジネスが恩恵を受ける、と。これを私タリブはハーバード・ソ連幻想と呼んでいる。そうではなくビジネスがトライアル・アンド・エラー(試行錯誤)でテクノロジーを引っ張り、その結果をサイエンスがまとめる、というのが理想の形。(必要は発明の母?)
ビジネスでは知性や知識も必要だが、トライアルアンドエラーで賢くなれば非フラジャイルとなれる。
官僚が支配した国々、例えばかつての大英帝国や中国も力を失った。国策でリスクを取らなくなったからだ。
ビジネスがすべての原動力である。リスクを愛せよ。
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以上です。
思えば日本も来年で戦後80年となります。経済が発展したものの、国民は平和ボケにさせられ、フラジャイルそのものです。
そうは言うものの、日本はブラックスワンに強いと思います。なぜなら度重なる地震で、防災意識があるからです。
何事も備えが肝心です。
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