この本は1990年代に世界的ベストセラーとなりました。今回、当方はオーディオブックで
全編聞きましたのでまとめます。
ミュータントとは、本来の人間からかけ離れてしまった現代人のことを指します。5万年前から地球に存在するTrue peopleのアボリジニが、愛情と憐憫をこめて文明人を呼ぶ言葉です。
著者のマーロ・モーガンさんが朗読するオーディオブックはこちら↓part4まで。
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マーロは50歳代の医療従事者で鍼灸師でもある。1990年代前半、オーストラリアで仕事をすることになり、現地に飛んだ。アボリジニに講演する予定だったが、運命の流れに逆らえず、彼ら62人(グループに分かれる)と結果的に4か月かけて砂漠を巡礼することになった。誰も知らないアボリジニ(以下アボリ)の聖地へ向かうのだ。
マーロは空港からジープでアボリの集落へ連れていかれ、そこで文明に汚れているとしてパスポートや貴金属、カメラ(携帯はない)など全ての持ち物を燃やされた。マーロは抗議する暇もなかった。槍など最小限の道具を持ち、麻の衣一枚のみ着て、はだしになって砂漠を歩く。一人だけアボリの中に英語が分かる男性がいて通訳してくれる。
砂漠は岩や石やトゲトゲ植物だらけ。アッという間にマーロの足は腫れあがり血まみれ、痛みが襲う。その夜、アボリ集団の一人の老婆が足を治してくれる。ハーブの油を塗り、歌(周波数)で足に語り掛けながらマッサージしてくれるのだ。時間と共に痛みが去り、腫れが引いていく。
アボリ達は長期の旅(全て徒歩)でも、食べ物は持参しない。毎朝祈りを行うと、その日の食糧ー砂漠のとかげや虫、植物ーが見つかる。火は原始人のような熾し(おこし)方をする。夜は小さな毛皮一枚を敷いて地面に横たわって寝る。砂漠なので水は貴重、体も洗わない。
アボリはテレパシー能力が発達している。言葉を発せずしてお互い意思疎通が可能。集団で移動しながら方角を変えるとき、誰も何も言わないのに一斉に向きが変わる。また、マーロがくたくたに疲れて眠りにつきながら、一日の感謝を心の中でThank you とつぶやくと、近くで寝ているアボリ達がいっせいに「You're welcome」と現地語で答えた。
また、20キロ先にいる先陣隊が「カンガルーを捕えた」とこちらの一人にテレパシーで連絡してきた。そこに到着すると、確かにカンガルーが焼かれていた。
アボリにとって声というものは会話に使うのでなく、歌に使うものだ。
アボリによると人間や自然は、宇宙の一つのソース・源から発した存在である。
全て起きることは、意味があって起こる。良い事悪い事、全ては与えられた experience (経験)である。
我々は1つの存在から生まれたので、アカの他人は自分と同一だ。マーロが、文明国は競争社会なので人を蹴落として上に登ることが普通だと説明すると、アボリは目を丸くして、それは自分を蹴落とすのと一緒だと言った。
アボリの価値観では、人生の目標は努力して自然界のスキルや能力(霊的も含め)を身に付けて、皆の役に立つこと。しかし先進国では、自分の人生の意味や本当の自分が見つからないまま一生終える人が多いと伝えると、アボリの青年が大きな目に涙をためて、何てかわいそう、と嘆いた。
アボリは90歳を超えても筋肉隆々、長生きである。心臓病、がん、糖尿病といった病気は見当たらない(注:都市定住のアボリは別)。
食べ物の話で、アメリカ人は肉にグレービーをかけ、ケーキにはアイシングを塗ると教えると、「本来美味しいものに、なぜわざわざそんなものをかけるのか」信じられないという反応だった。文明国では、本質的なものに虚栄と虚偽と偽善のグレービーをかけて隠し、それを良しとしているのだ、とマーロは思った。
旅の後半で事故が起こった。集団の一人の若者が岩から落ち、足を骨折した。骨は皮膚から飛び出て出血がひどい。アボリのmedicine manー治療師ーが祈りながら手を足の上にかざし、上下させた。ハーブや乾いた血を傷に刷り込んだ。しばらくすると、驚くべからず、骨は皮膚の中に引っ込んでいった。マーロは医療従事者なのでつぶさに観察していた。出血もとまり、一夜明けると青年はびっこもひかず元気に歩いていた。
旅の途中の、天から与えられた飢えと渇きの試練も生き抜き、マーロはアボリ達に完全に受け入れられた。目的の聖地に到着すると、驚愕の秘密の教えを聞いたのだ。アボリの考え方は、人間は本来霊的な存在で、肉体という殻を着てこの世に来ているだけである。アボリは自由に、自分の役目が終われば、地面に座って2分で霊の状態に戻ることができる。仲間たちは悲しみもせず、また会おうね、と見送る。むしろお祝いである。
長老の一人がマーロに、我々は若い世代を残して地球を去り、あの世に戻るつもりだと言った。理由は地球の自然が段々破壊され、昆虫も植物も減っているから。
砂漠に住むアボリが存在するのも知らず、オーストラリア政府は砂漠で核実験をした。
巡礼が終わり、マーロはアボリ達と泣く泣く別れてアメリカに戻った。この体験を誰も信じないだろうと思ったが、家族が本にするよう勧め、あちこちで講演もした。聴衆はポカンと口を開け目を丸くして聞き入っている。
実は、マーロはアボリから魔術も教えてもらった。それをこれからも使うつもり、というコメントで本は終わっている。
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マーロさんのおそらく90年代のインタビューもあります。
マーロさんのコメント。「アボリジニはhonesty 正直であることを最も重んじる。自分に対しても他者に対しても」「人は生まれてきただけで価値がある。むしろ価値があるからこそ生まれてきた。(競争や勝負で)自分の価値を証明するまでもない」「子供という聖なる存在の虐待はありえない」など。
毎朝4時に、アボリとテレパシーで会話しているそうです。1994年ロスアンゼルスで地震があった直前、アボリが外に出るよう言ってくれたおかげで被害に遭わなかったということです。
さて、Wikiはミュータント・メッセージについてこう書いています。
『ミュータント・メッセージ <真実の人>族の教え』(Mutant Message Down Under)とはマルロ・モーガンの作品で、当初はノンフィクションとして刊行されたが、虚偽が明らかになり、フィクションとして再刊された。現在は小説としてあつかわれている。アメリカ人である主人公がオーストラリアの先住民アボリジニの一部族「<真実の人>族」との触れ合いを通してスピリチュアルな教えを学ぶ様を描き、著者は「事実と実際の経験にもとづいて書かれた」と主張している。「高貴な野蛮人[1]」の教えとして、ニューエイジにおいてノンフィクションとして人気を博した。しかし、アボリジニによって本書の虚偽性が明らかにされており、現在もアボリジニによる抗議活動が続いている。本書の冒頭に「ウルンジェリ部族の長老の手紙」を掲載しているが、現在これもねつ造であることがわかっている。[2]
虚偽・ねつ造とありますが、マーロさんのインタビューやオーディオブックは本物であるという印象しか、当方は受けません。抗議活動など、カネでいくらでも組織できるのです。
なぜこういう批判をするのでしょうか。世界を支配する勢力は、「人は何をしなくとも価値がある」という教えを最も嫌うと思います。教育とマスゴミに洗脳され、お互い競争し、奴隷として働き、税金を払い、添加物やワクチンで病気になり、カネを払って薬漬けになってさっさと死ぬのが人間だと、勢力は信じてほしいのです。こういうのを、Anti-human agenda、反人間的アジェンダと呼びます。
まあ、我々はミュータントかもしれませんが、それなりに生きていかざるを得ません。でも本来の人間とはどういうものか、頭の片隅に置いておきたいと思います。
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