今回も故近藤誠医師の本から要約ですが、前回はがんの診断基準がでたらめであり、良性腫瘍を手術してしまっている人があまりに多いことなどをまとめました。
今日はがん以外の検査のいい加減さについてです。
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血圧は無理に下げてはいけない
日本は薬大国、国民はクスリ漬け状態だが、その原因は血液検査で「異常」が発見されるから。しかし数値の基準値の設定のせいで、必要がないのに異常と判断されている。
まず肝機能や白血球数の基準値の決め方は、健康とみなした被験者の血液の数値を並べていき、一番下の数値から全件数の2.5% を下の基準値、一番上の数値から全件数の2.5%を上の基準値と決める。それで新たに測定すると、5%の人が健診で異常数値となる。しかも健診が30項目にのぼると、8割もの人が何らかの異常が見つかる。
肝機能や白血球数は上記のような決め方だが、高血圧、高血糖、高コレステロールなどの生活習慣病の基準値は専門家が決めるのが問題。製薬業界のバックがあるWHOは1978年に、凡ての年齢の血圧基準値を160-95とした。データや根拠はなかった。
その20年後、WHOは基準値を140ー90に変更したが、その背景には製薬業界から多額の寄付を受ける欧州の「血圧学界重鎮」がいた。
結果、基準値から外れた人が急増、米国では年間3000億円の降圧剤の売り上げが、5年間で1兆6300億円に増えた。日本でも同様。しかし血圧を無理に下げると病気になるー脳梗塞、ボケ、ふらつきなど。薬の副作用も多い。
血圧を下げれば下げるほど死亡者が増えるが、死因は「降圧剤が原因」とは記録されない。
殆どの血糖値異常は薬を飲む必要はない
日本のいわゆる糖尿病患者の圧倒的多数は当分の摂りすぎと老化が原因であるII型である。
ここでもまたWHOが1998年に血糖値を140から126に切り下げ、糖尿病人口が増えた。
ヘモグロビンA1cも6.2を基準としているが、逆に6.5以下だと死亡率が高く7.5近辺が最も低い、という結果が出ている。
血糖降下剤は無理に血糖を下げ低血糖症にするため危険だが、インスリンはもっと危険。血糖値が下がってブドウ糖が脳に供給されないと、意識を失いやがて脳死状態になる。
元気でなんら自覚症状がないのに検査で見つかる高血糖や糖尿は、ほぼすべてが薬は不必要。
コレステロールは高いほうよい
欧米は心筋梗塞死が多い為、コレステロールが原因とされてきた。実験でコレステロール低下薬を投与したら少しだけ死亡率が下がったので、世界中で同薬の売り上げが急伸した。しかしこういう実験は研究者と製薬業界の癒着がひどく、当てにならない。基準値の設定も然り。総コレステロール220という基準値は、元々心筋梗塞の患者のデータを使っているので、健康な人に当てはめるのには無理がある。
皮肉にも、総コレステロールが240~260の人達が一番死亡率が低いことが分かった。基準値がおかしいというまっとうな研究者達の声が上がった。しかし値を10引き上げれば、製薬業界の売り上げは1000億以上減る。
そこで総コレステロールという呼び名を廃止し、悪玉と善玉に分けた。悪玉に基準値を設け、超えた人に薬を薦めるようになり、中性脂肪も体に悪いと言い始めた。
しかし悪玉も中性脂肪も、値が高いほうが死亡率が低い。コレステロール低下剤には重大な副作用がある。
健診の断り方
自営業や引退後の個人は、自治体健診が中心なので無理に受ける必要はない。もし自治体から電話がかかってきたら「健診を受けたら寿命が延びるという確実なデータはありますか」「受けたらより健康になると保証してくれますか」などと聞けばよい。
企業の場合は労働安全衛生法という法律があり、健診を強制される。要精密検査になると、CTやMRIなどの放射線被ばくになるので、健診を全面拒否できる会社もある。
拒否しにくい場合は、検査項目を減らすことが可能。労働安全衛生規則では、身長体重測定や血圧検査・血液検査・胸部エックス線撮影が必須だが、身長体重だけ、或いは血液をプラスして異常結果が出ても無視すればよい。
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医者というのは製薬業界のセールスマンだ、というコメントを聞いたことがありますが、その通りだと思います。現代の医療制度を作ったのはロックフェラーです。
次回は女性必見、骨粗鬆症のからくりを本から紹介します。
その他目に止まった海外ニュースですが、ウクライナの敗戦が明らかになっており、米は出口戦術を模索中であるようです。ベトナム戦争のように、負けを南ベトナムに押し付けて自分達の責任を否定するかもしれません。ゼレンスキーは見捨てられるのでしょうか。
また、気候変動の言い訳に使われている山火事については、イタリアとギリシャは放火犯人が特定できています。ハワイについては分かりませんが、同様である可能性大です。
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