当方が応援する、神戸市拠点の正義派弁護士・木原くにや氏のWEBセミナーが
昨日ありましたので紹介します。
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2025年大阪万博の実現が危惧されている。埋め立てである夢洲の地盤が弱いことが分かっており、パビリオン建設をためらう国もある。
同じ埋め立ての関西国際空港も地盤沈下が取りざたされている。
関西には伊丹空港、神戸空港、関西国際空港の3つあるが、ハブを目指してきた関空の将来に地盤沈下のせいで暗雲が立ち込めている。
関空に代わって神戸空港を国際空港としてもっと活用すべきだと、木原氏は考える。それが関西全体の利益にもなる。
そもそも、関空の建設工法は地盤沈下を前提とした工法で、粘土層から水を抜くために杭を打つものだった。それによって結果的に更なる地盤沈下が防げると考えていた。
そのため大変な総工費がかかっており、1期工事(A滑走路)は当初の予定1兆円が1兆4582億円となり、2期工事(B滑走路)は9000億円以上(一説には1.5兆)かかっている。土木利権が大きくなったのである。
1期工事が巨額予算になった理由はこの特殊工法↓だが、本当に効果があったとは思えない。
その後も地盤沈下は止まっていない、理由は一番下の洪積粘土層に工事が対応できていないから。
1期の島は平成6年のサービス開始から3.73m、2期の島は平成19年から5.36m下がっている↓
建物にもひび割れやクラックが見られる↓
しかも斜めに沈下するため、建物を機械でジャッキアップするランニングコストもかかっている。↓
大問題となった平成30年の台風で関空に浸水があり、10日間閉鎖した。連絡橋に船が追突した場面は記憶に新しい。台風のあった9月4日は奇しくも関空の開港記念日↓
何故浸水がひどかったか。関空の周りは離着陸を考慮し建造物などの制限があるので護岸の高さも3メートルしかなく、高波を防げなかった。全てにもろい空港↓
しかも南海トラフ地震が本当に来たら関空はひとたまりもない。
台風被害の後、関空一極を止め、神戸空港を国際空港として補助活用することになった。神戸では令和7年から国際チャーター便の離発着が許可され、令和12年には国際定期便が就航する。一日60本の発着枠が、80本に緩和された。空港の運用時間も7AM~10PMだったのが最終11PMに延長された。↓
本来神戸は国際都市であるため、神戸空港が国際空港であってもおかしくないが、発着制限をふくめ規制が多かった。元和歌山県知事(関空寄りであるはずの)さえも、神戸はとばっちりばかり受けてきたと発言している。
神戸空港は海上空港であるため、住宅地は離れており騒音被害は限定的なのに、運用時間制限がかけられてきた↓
経緯を遡ると、関西国際空港建設を発案したのは田中角栄、昭和40年代だった。候補地は神戸沖、泉州沖、そして播磨沖であったが、最も神戸が有力だった。日本各地で空港の騒音問題が大きくなり、昭和44年に伊丹空港の夜間騒音差し止め請求という案件もあった。大阪空港訴訟 - Wikipedia
そのため伊丹は除外し、3つの候補地が討議された。六甲山を背景とし、海底地盤がしっかりしている神戸沖が一番有力だった↓
時代の流れとして各自治体は地元空港建設に反対していた↓ 関空の周りの自治体も全部関空建設に反対していた。
しかし、候補地が地元の反対に遭っているかどうかは、選定において考慮されなかった↓
昭和48年に航空審議会(土木利権?)が「泉南沖が最適」と答申した。泉州の地元経済もまだまだ開発余地があるため(つまり田舎)、空港が利益をもたらすとした。
関空行政を握ってきたのは二階敏弘。特に2期工事は二階が牛耳っていたとされる。政府は野党も与党も関空を推進したが、それほど二階の力は大きかった。橋下元大阪府知事も、伊丹を廃止して関空に統合、と強く主張。
また関空が衰退しかかった時期があり、そのため海外からのインバウンドに力を入れたという背景がある。
神戸空港も埋め立てだが、建設費は3100億円。それに対して関空は1期が1.5兆円、2期も同規模。
大規模埋め立て工事の土木利権を求めて関空が選定されたのは明らかだ。
(当方の感想ー地盤が弱いのは最初から分かっていたはず)
南海トラフが起これば関空は大損害を受けるだろうが、そのことをマスコミは指摘しないので報道規制がかかっているのではないか。
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今回の内容は以上で、2週間後の次回セミナーに続きます。
ところで当方はこういう本を読みました↓
日本は天然資源が限られているため、土木利権が幅を利かせる土建国家と言えます。しかし
国民の税金を湯水のように使う公共工事をエサに、ゼネコンがやりたい放題する図式が垣間見える本です。
またいつかご紹介します。
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