昔の人は健康についてどう考えた?意外な考察も。江戸時代の名著「養生訓」(2026年1月10日公開)
- chibamai
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有名なこの本は東洋医学を勉強する際、必ず出てきます。昔の中国の健康における手法は日本にも影響を及ぼしましたが、江戸時代の薬学者・貝原益軒が日本文化をふまえて健康法をまとめました。益軒は幅広い学識を持っていました。
基本はこうです。当たり前ですが
病気になってからでは遅い。飲食を節制して予防しなければいけない。薬や鍼灸に頼らない。
全て病は気から始まる。気を減らさないようにはどうするか。
この本は大変項目が多いのですが、「気」に関する部分をピックアップしました。
「外邪」という言葉が出てきますが、これは外界の環境「風・寒・暑・湿」を指し、病気の原因になりうるという中医学(中国の医学)の考え方です。「風邪(ふうじゃ)」は風が邪をもたらし、首から邪が侵入するとカゼになると考えました。だからマフラーは有効なのです。
しかし外邪は、今は薬・ワクチン・添加物・電磁波・汚染物質などが含まれると思います。江戸時代には無かったものです。
それでは本文をまとめます。
心気を養うことが健康への第一歩
心を穏やかにし、怒りと欲を抑制し、憂いや心配を少なくする。心を苦しめず気を痛めない。
寝すぎてはいけない。気血の循環が悪くなる。食後すぐに横になるとよくない。
酒はほろ酔いまでにして、酒席がたけなわになるころに帰る。
食事は腹八分、酒食とも限度を決めて、超えてはいけない。色欲は慎まないと精気が減り、元気の源泉に影響して必ず短命に終わる。風、寒、暑、湿の外邪を防いで起居振舞に節度を以て慎み、食後は適度の運動をし、導引(一種のストレッチ)をし、腰や腹をなでて摩擦(マッサージ)。手足をよく動かし労働して血気を循環させる。
元気を保つ道は二つ。外邪を防ぎ、内欲を押さえる
元気を害するものを取り除くことと、元気を養うこと。
害するものは内欲と外邪。欲望は本質的にむさぼるものであるから、飲食や色欲をおさえないと、節度を越えて体を壊す。全ての悪は欲望を思うままにすることから起こる。耳・目・口・体の欲をこらえて打ち勝つこと。
風寒暑湿の外邪は天によるものもあり、逃れられない場合もあるが(服装や住居の工夫)、内気を充実すれば病気予防できる。飲食や色欲を押さえないのは自分の過失。
薬(この時代は和漢薬)や鍼灸も、自分の病気に合っているか検討し、むやみに頼ってはいけない。
養生の道は、心は静かにしつつも体を動かすこと。全てにおいて慎むこと。欲を少なくすること。
そして意外な考察がありました。寒い地方は気が外にもれないから長生きだそうです。
山の中で暮らしている人は多く長命である。古書にも「山気は寿多し」といい、また「寒気は命長し」ともいう。山中は寒いので身体の元気を閉じ固めて内に保って外部にもらさないから命が長い。暖かな地方に住む人びとは、元気が漏れて内に保有することが少ないので短命となる。町に住む人は世間との交際も多く、多忙だから気が減りやすく病にかかる。
気を養う方法はコレ!だそうです。
心を静かにして騒がしくせず、ゆったりとしてせまらず、気を和かに(やわらか)にして荒くせず、言葉を少なくして声を高くせず、大笑いせず、いつも心を喜ばせてむやみに不平を言って怒らず、悲しみを少なくし、どうすることもできない失敗をくやまず、過失があれば一度は自分をとがめて二度と悔やまず、ただ天命に従って心配しないこと、これらは心気を養う方法である。
原文も載せます。
心をしづかにしてさわがしくせず、ゆるやかにしてせまらず、気をやわらかにしてあらくせず、言をすくなくして声を高くせず、高くわらわず、つねに心をよろこばしめて、みだりにいからず、悲をすくなくし、かへらざる事をくやまず、過ちあらば一たびはわが身をせめて二度悔やまず、只天命をやすんじてうれへず、是心気をやしなふ道なり。
やはり「心配」と「怒り」は病の元です。
「気」は英語で中国語由来の「Chi」とかlife energy 命のエネルギー と呼ばれます。
日本語には「気を利かせる」「気を使う」「気を病む」など大変多い言葉です。
お正月も親戚に気を使った人が多かったのではないでしょうか。
益軒の考え方は、気を減らさず欲をコントロールして正しい生き方をすれば、健康を保つことが可能ということです。
今だけカネだけ自分だけ、は益軒に言わせれば、最悪の生き方なのかもしれません。



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