歴史トリビア・18世紀から台頭したドイツ・プロイセン帝国の強さは、ライ麦を使ったあのパンのおかげ?ついでに焼いてみました!(2026年5月25日公開)
- chibamai
- 3 分前
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マルチ専門分野を持つマイク・アダムスが興味深い話をしていました。
プンパーニッケルというドイツ風の黒くてずっしりしたライムギパンがあります。結構好き嫌いがあるパンです。

ドイツには、プロイセン王国という強力な軍隊を誇る国(1701-1918)がありました。日本にも明治維新前後、プロイセンの法律や科学技術がモデルとして導入されました。
ドイツ兵は体が大きく、体力が優れていたことで知られていました。その基礎を作ったのは、偶然が生んだ栄養豊かなパン・プンパーニッケルではないか、というマイクの仮説です。
以下は、普通のライ麦パンより数倍栄養価が高く(鉄分や亜鉛が豊か)、室温で数か月持つため軍の携行食にもできるプンパーニッケルが誕生した、マイクが書いたその経緯です↓
食の歴史を変えた「偶然の24時間焼いたパン」
言い伝えによると、ドイツ・ヴェストファーレン地方のゾーストという町のパン職人が、いつものようにライ麦パンを焼いていた。ある日住む町の城郭が敵に包囲されたため、戦うために、パンを焼いている最中の薪窯をレンガで閉じて出て行った。
数日後に戻ってみると、黒くて香り高く、長持ちするパンができていた――それが最初のプンパーニッケルだという。 自然の奇跡が起こった。 窯の火を落として低温で16〜24時間蒸し焼きにする製法(約93度)は、パン全体でマイラード反応を引き起こし、ココアも砂糖も使わずに深いチョコレートのような風味を生み出す。
この“偶然”は実際には食品工学の成果だった。 長時間の焼成は内部を殺菌しつつ水分を閉じ込める。 その結果できるパンは、数日ではなく数ヶ月もカビが生えない。 伝統的なプンパーニッケルは、半年間棚に置いても腐らない。 これは兵士・船乗り・開拓者が携行する食べ物でもあり、 腐らず、崩れず、栄養が詰まった“文明を支えた食糧”だった。
パンの中に存在する「見えない微生物の文明」
伝統的なプンパーニッケルは、酵母や化学保存料ではなく、生きたサワードウ(天然酵母)を使う。 乳酸菌と酵母の発酵によって、乳酸・酢酸・過酸化水素・天然の抗真菌物質が生成される。
顕微鏡もない中世のパン職人たちが、この複雑な生態系を利用していたことは驚くべきことだ。 プンパーニッケルに使われるサワードウは、世代を超えて受け継がれる生きた微生物のコロニーである。 微生物を味方に回せたのだ。そしてその結果できるパンは、普通のパンよりも消化しやすい。 発酵によってグルテンや消化困難なタンパク質が分解されるからだ。 これは、現代よりもずっと前に達成した“本物の食品科学”である。
ドイツ兵が強かったのはこれ?栄養面での優位性がもたらしたもの
ライ麦には フィターゼ という酵素が含まれており、これは穀物に共通する“ミネラル吸収阻害物質”であるフィチン酸を分解する。 ライ麦を長時間のサワードウ発酵と低温焼成にかけると、このフィターゼが活性化し、フィチン酸を徐々に無害化する。
なぜ無害化が重要なのか? フィチン酸は鉄・亜鉛・マグネシウムに結合し、体がそれらを吸収できなくなるからだ。 プンパーニッケルは穀物を“脱フィチン酸化”することで、これらのミネラルを吸収可能な形にする。
さらに研究では、
全粒ライ麦は血中セロトニンに良い影響を与える
プンパーニッケルのでんぷん質は 腸内細菌の餌になり、血糖値を安定させる
と示されている。
マイクの見解では、プンパーニッケルを食べていたドイツの人々が繁栄した理由はここにある。 安価な主食ひとつで“本物の栄養”を摂取できたからだ。 現代の、血糖値を急上昇させミネラルを奪う加工パンとは対照的である。
ということで、プンパーニッケルを焼いてみよう!になりました。レシピ↓
まさか、24時間93度で焼くのだろうか、電気代高し?と思いましたが、家庭では簡易レシピとなります。発酵は1.5時間から3時間、焼くのは1時間です。ライ麦粉は重いので、手でこねるのは大変でした。
本物と違い、簡易レシピはココアパウダーで色をつけ、24時間焼成でライ麦のでんぷんを消化しやすくする部分は、ライ麦粉を1日水につけることで補います。
焼きあがって型からひっくり返したところ↓

本物に比べると色は大分薄いのは、ココアの分量が限度なのでしょう。
当方はクラストが分厚いのが苦手なので、途中で温度を落として全体をフワフワにしました。
肝心のお味はというと、美味しいのですが、材料のモラセスシロップの味が浮き出て、これも苦手なので(笑)、スライスしてチーズを乗せてグリルにすると、バッチリでした。赤ワインとぴったりです。ハムを乗せても美味しいはずです。
15世紀にプンパーニッケルができたパン屋さんは、今プンパーの博物館だそうです。
いつか本物を食べに行ってみたいものです。



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