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米ドルは金本位制に戻る可能性、いつ?: ドルは崩壊しない、実際はドル不足感があるー著名アナリスト (2025年5月17日公開)

  • chibamai
  • 5月17日
  • 読了時間: 5分

更新日:5月18日


ここ数年、ゴールドが各国中央銀行の買いで急騰してきましたが、原因はBIS(国際決済銀行、中央銀行のボス)の方針転換であることをお伝えしました。


方針転換とは

本来ゴールドも株式も債券も、資産として中央銀行が保有するためには、損失に備えて準備金(reserves)を用意する必要があった。しかしある時点で、BISはゴールドだけは準備金は不要と決定した。つまりゴールドはマネーとイコールになり、各国中央銀行が買いまくるはずみとなった。


有名アナリスト、ジム・リカーズも現在ゴールドはあたかもマネーのような動きをしていると言います。


ゴールドは通貨と競争をしている状態だが、それは世界の人々が自国の通貨に信頼を無くしているからだードル、人民元、円、ユーロ、英ポンドなど。中央銀行も大量のゴールド実物買いに動いている↓

Right now, gold is behaving more like money than a commodity or an investment. It is competing with central bank fiat money for asset allocations by global investors. 

That's a big deal because it shows that citizens around the world are starting to lose confidence in other forms of money such as dollars, yuan, yen, euros and sterling. You know that with recent reports that central banks are increasing their purchases of physical gold by a large quantity.


米ドルは崩壊する崩壊すると、ずっと言われてきており当ブログでも取り上げました。ところが雲行きが変わりつつあります。トランプが今年1月就任以降次々に、アメリカン・システムと呼ばれる、米ドルを中心に据えた世界経済体制を打ち出しているためと思われます。

それまではバイデン政権を見放したBRICS各国が、ドルと決別するため新通貨発行に向けて動いていましたが、ジムによるとそれが止まったようです。


BRICS通貨は永遠に生まれない可能性がある↓

In fact, there may not be a BRICS currency for many years, maybe ever.


実はBRICSには既に共通通貨があるーゴールドだ。BRICS各国の中央銀行にとってゴールドは主要準備資産である。安全な場所に保管すれば、(バイデンがロシアの海外資産を凍結したように)アメリカによって盗まれることもなく、各国間で自由に取引できる↓

BRICS already have a common currency – it's gold! In effect, gold is a leading reserve monetary asset for BRICS central banks. When held in physical form in a safe location, gold caそうなると be frozen or stolen by the U.S. And gold is freely acceptable by the other BRICS members.


と、ここまで書いたところで、今朝ジムのびっくりニューズレターが飛び込んできました。

ホワイトハウスの知人がジムに、トランプ政権はドルを金本位制に戻す検討をしている、と伝えたそうです↓金本位制は1971年に廃止されています。

Sources are telling Jim that Trump and his new Administration are considering bringing back the gold standard that was dropped in the 1970s.

議会に既に、金本位制に戻す法案が上がっているとのこと↓

There's already a bill in Congress to reestablish the gold standard…


金本位制になれば、ゴールドは今の価格の1000%(10倍)以上になる↓

According to his calculations, if the U.S. did return to the gold standard, one ounce of gold is almost guaranteed to skyrocket by more than 1,000% from today's price.


ジムのプレゼンテーション↓見れなかったらすみません。


もし金本位制が発表されるとすれば、来年7月4日の独立記念日(建国250年を迎える)に合わせるかも、ということです。


ドルは崩壊するどころか、実際は世界的なドル不足感がある


常に問題となってきた対日本・貿易赤字是正のために、昔はプラザ合意(1985年、円が大急騰した)が締結されました。その悪夢再来か、ということで今回もドルが大幅に売られ(円が買われ)かけました。しかし大幅なドル安になるとドルの基軸通貨としての地位が危うくなり、トランプのアメリカンシステム(建国の父ワシントンの政策)と矛盾するため、プラザ合意の焼き直しは無くなったようです(今のところは)。


ドルの世界的不足感についてジムがコメントしています。


ドルは世界的に不足しており、金融市場や金融システムを脅かしている↓

There is a global dollar shortage. That is the biggest threat to the financial markets and the global monetary system right now, there's a dollar shortage.


ポイントをまとめます、長くなりますが。

ーーー

本来、通貨の流動性(スムースに世の中にマネーが流れて回ること)は中央銀行の通貨供給(マネーサプライ)とはさほど関係がない。

実体経済でカネが流れる背景は、市中銀行が貸し付け・ローンによってカネを供給するところにある。個人や企業が銀行で貸付を申し込むと、銀行はコンピューターに金額を入力し、それが申込者の口座に振り込まれる。紙幣が実際に行き来するわけではなく、虚構のマネーだが、少なくともそれがマネーとして社会に流れていく。企業は景気が良ければ大型ローンを組んで事業を拡大するので、マネーが流れる。


しかし現在、米では景気見通しが不透明なため、ローンが滞っている。つまり市中に流れるドルが少なくなっている。


各国政府は貿易でカネをもうける。ドルを使って貿易をするため、黒字になれば余剰金としてドルが国庫に入る。しかし現在、世界経済2位の中国は景気後退が原因で余剰金が少なくなっており、大問題となっている。中国が米財務省証券を売っているのは、ドルの現金が欲しいからだ。中国もドル建て債券を発行しており、支払いにドルが必要だからだ。しかしドルは上記のように、市場に不足感がある。


今まで、中国は日本の銀行を通じてドル調達をしてきた。日本の銀行はロンドンやNYで円を売ってドルを調達し、それを中国の銀行に貸す。ドルが中国経済を安定させる。


しかしこの図式が変わってきた。現在日本の銀行は、不安定な中国に貸すのをためらっている。一方米の銀行は、(中国が相手にいるから?)日本の銀行に貸したくない。ドル不足の連鎖が起こりつつあり、世界中にクレジット・クランチ(貸し渋り)が広がる気配を見せている。


関税や貿易戦争も問題だが、実はこの世界的クレジット・クランチの方が心配だ。

ーーー


以上です。


先日京都に行きましたが、やはり中国人観光客は少なかったです。圧倒的に欧米からの白人でした。やはり中国経済は思わしくないのでしょうか。関税交渉で素直だったのもそれがあるかもしれません。


ドルやゴールドはどうなっていくのか。まさに歴史の転換点に立っています。

 
 
 

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